家電は変わった
目に見えないインターネットにより制御された家電。空気質、在室の有無、セキュリティの管理から冷蔵庫の在庫。
インターネットに繋がった家電を、インターネットに繋がったハブを通して、インターネットに繋がった外部から操作する。
インターネットに繋がったディスプレイからは近所のスーパーだけでなく、持ち主のGPS情報から予測されるルート上のスーパーの特売情報が表示され、天候や気温からおすすめの今夜の献立レシピが提案される。
家電は変わった。
長期間誰もいないは空き巣に狙われるからと、設定された時刻で照明をオンオフする自動制御。
朝理想的な目覚めを迎えるために設定された時刻でゆっくりとカーテンを開ける自動制御。
理想的な太陽の光による目覚めを更に覚醒させる、淹れたてのコーヒーがコップに注がれる自動制御。
コーヒーにより覚醒された脳にはすでに流し込まれているラジオの音声。
それは通常の放送ではなく、所有者の趣味嗜好に沿った情報を各局から集めたぶつ切りの情報たち。
本人の思想のためでない。利益や家族のためでない。
集められた情報と、貼り付けられた情報が、果てしない情報洪水を生み出す。
家電は変わった。
時代は獲得から供与へと移行し、情報不足によるディバイドは回避された。
そして家電の制御は、行動のコントロールをも可能にした。
家電は変わった。
0 件のコメント:
コメントを投稿